Posted on Dec 30, 2019
まず最初に紹介するのがGALNERYUS(ガルネリウス)の「RESURRECTION」。(2010年6月)
音楽性はギターが中心のパワーメタル系でしょうか。ギター以外のパートも凄腕揃いです。
GALNERYUSは2000年代初頭から表だって活動していますが、ボーカルが小野正利さんに交代してからの1作目になります。
もともとテクニック重視のメンバー構成ですが、ギターのSYUさんと小野さんの相性がとても良いです。
10曲目のDESTINYの間奏ではポリリズムから疾走パートに入って、ギターとキーボード、ギターとドラムのユニゾンが展開。その後のギターソロに入っていくんですが、本当に信じがたいテクニックです。
SYUさんのギターに関しては文章で説明するのが野暮なほど凄いです。このアルバムの収録曲ではないですが「angel of salvation」のライブ動画を検索してみてください。
8曲目の「A FAR-OFF DISTANCE」の小野さんのボーカルもうなりました。最後のサビだけ少し展開が違うんですが、これがもう鳥肌ものです。
小野さんは90年代「You’re the Only」というバラードで一躍有名になりましたが、こういう曲だと彼のボーカルが映えるんでしょうね。
伸びのある高音はデーモン閣下に引けを取りません。
次に紹介するのが人間椅子の「怪談-そして死とエロス」(2016年2月)
ドゥームメタル系ですかね。先ごろ活動30周年を迎えた重鎮。デビュー当時は奇抜の外見からメディアでも取り上げられていましたが、その後はずっと活動を続けながらもブレイクすることはありませんでした。ところが2013年のオジフェストからブレイクの兆しが見え始め、現在の絶頂期に入りました。
音楽性はブラックサバスやオジーのソロに近いイメージです。人間椅子といえば文学メタルが代名詞ですが、それがかえって音楽性を狭めてしまっていたのかもしれません。今作では従来のおどろおどろしい世界観はそのままに、重厚にして疾走感があり、そしてキャッチーな楽曲群が躍動しています。
3ピースのバンドとは思えない音の洪水(アルバムではギターが重ねてあったりしますが。)ドラムもスネアのバネの音まで感じられる臨場感。
古今東西のリフを寄せ集めてブラッシュアップしたような楽曲たちが凄過ぎて、思わず笑ってしまいます。
人間椅子の曲は1曲で何回も展開が変わってしまうんですが、和嶋さん、鈴木さんともに青森訛りの歌唱が妙にクセになってしまうんですよね。
「地獄の球宴」では鈴木さんがボーカルをとっていますが物凄いインパクトです。
このアルバムではドラムのナカジマさんもボーカルをとっている曲(超能力があったら)があり、好ききらいがあるとは思いますがアクセントになっています。
昔人間椅子は聴いたことあるけど、近頃は聴いていないって人に是非おすすめしたいです。
最後にBABYMETALの「METAL GALAXY」です。(2019年11月)
上記2つのアルバムが古き良き時代のメタルの生き残りだとすれば、BABYMETALは少し異質です。
元々アイドル「さくら学院」の派生ユニットとして誕生したBABYMETAL。初期はアキハバラを支配するアイドルグループと戦っているメタル系アイドルの設定でしたが、次第にメタルの復権に軸足を移していき、2014年イギリスで開催されたsonisphere festivalでその地位を確立しました。
しかし今作DISC1の最初、FUTURE METALとDA DA DANCEに至ってはメタル感がありません。この時点では失望しかなったんですがアルバムを通して聴くと「これはもしや世界基準のアルバムなのではないか!?」と思うに至ります。
「METAL GALAXY」とはよく言ったもので、「DA DA DANCE」みたいな曲もあれば「BxMxC」のようなラップ調の曲あり、まさに宇宙がごとくの広い音楽性になっています。特に前半はその傾向が強く、何度となく挫けそうになりました。
しかし、このアルバムの最後を飾る3曲は従来のBABYMETALらしい音楽性を進化させており、広い音楽性という実験的手法を一つの作品に納めてしまう力がありました。
特にラストを飾る超高速のパワーメタル「Arkadia」はアルバムをラストを飾るに相応しいここ数年の彼女たちの逆境を飛び越えていく内容で、メタルとしてもアイドルとしても別格の存在である事を内外に示しているかのようでした。(ちなみにArkadiaのギターは元GALNERYUSのLedaさんが担当しています。)
どこの世界にブラストビートを採用するアイドルがいるのか?!とにかく孤高。それでいてメッセージは至極シンプル。どれだけ広い音楽性になろうともBABYMETALの目指すところは1つ。90年代初頭に死んでしまった古き良きメタル界の唯一の救世主としてBABYMETALは今日も戦うのだ!
といいうところがおじさんにウケているんでしょうね。笑
3つともお勧めのアルバムなのでぜひ聴いてみてください。
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