今やMOAMETALはSU-METALに肩を並べつつある１人の表現者である

５月に発売されたBABYMETALの映像作品THE FORUMを見ていてMOAMETALについて深く考えさせられます。

BABYMETALがまださくら学院から独立してすぐの頃、歌のSU-METAL、ダンスのYUIMETAL、愛嬌のMOAMETALというイメージでした。
それが、海外遠征を続けたあたり（イタリアとか行ってた頃）から徐々にMOAMETALらしい表現が出てきて、いつのころからかYUIMETALとは違うMOAMETALらしいアプローチが確立されていったように思います。
ダークサイドは全くチェックしていなかったですが、今のMOAMETALはその頃よりさらに研ぎ澄まされているのではないでしょうか？

単に成長しただけ、もしくはSU-METALに遅れを取らないよう努力しているのかもしれません。
しかし、僕はMOAMETALがYUIMETALの抜けた穴を埋めるべく、今はそこにいない相棒のために１人で２人分演じているのではないか？という感覚に囚われます。

THE FORUMに参加している２人のアベンジャーズもMOAMETALとは違った魅力を持っています。
彼女たちもそれぞれバックボーンがあり、表舞台に立ってきた人。決して彼女たちがMOAMETALと比較して劣っているわけではありません。
しかしTHE FORUMを見ているとそんなアベンジャーズと比較してもMOAMETALは異常なほど集中しているように見えるのです。

この角度、顔の向き、髪の毛の跳ねる動き。
対となるのアベンジャーズももちろん気を使っているはずです。
しかし、MOAMETALのそれはBABYMETALの始まりから今日までダンスを担当してきた自負と責任感に満ちている。
僕がYUIMETALの脱退という事実を知っているがために「１人で２人分演じている」と結びつけてしまうだけで、実際は彼女のこだわりなだけのかもしません。しかし、この実に都合のよい勘違いをさせてくれる彼女のダンスはすでに芸術の域に入りつつあるのではないでしょうか？
特にShineを見ているとアイドルとかメタルとかジャンル分けが馬鹿らしくなり、そのあとのArkadiaでやっぱり重音部だ！となるところがBABYMETALらしい震える瞬間。

SU-METALがド直球なら、BLACK BABYMETALは変化球に位置しており、どちらも必要な要素ではあることは当初から変わっていません。
しかし今やMOAMETALはギャップやキャラクターを生むためだけのギミックではなくSU-METALに肩を並べつつある１人の表現者である。
そんな気がするTHE FOURMでした。